言語聴覚療法
治療概要
聞く、話す、読む、書くといった言語機能の訓練や発音の訓練を行い、言葉によるコミュニケーションの改善を図ります。また、食べる事に問題のある患者様には噛む、飲み込むといった訓練を行い安全に楽しく食事が行えるように援助します。
言語聴覚療法とは
言語聴覚療法とは、病気や交通事故、発達上の問題などにより、言語機能や聴覚機能が低下しコミュニケーションに問題が生じた方や摂食・嚥下機能に障害がある方に対し、機能の回復、能力の向上、維持を目的とし各種検査、評価、訓練、指導及び援助を行うことを言います。
言語聴覚療法の目標
対人交流の拡大を目標とし、摂食嚥下障害の患者様には、VF検査というレントゲンを当てながら飲み込みの検査を行ない、食べ物が気管に入っていないか確認することがあります。検査の結果から食べ物を用いない訓練や、適切な食べ物の形を選択し実際に食事介助を行なうこともあります。
対象となる障害について
当院の言語聴覚士が行うリハビリテーションの対象となる主な障害には、 「摂食・嚥下障害」 「失語症」、「構音障害」、「高次脳機能障害」、「小児の言語障害」などが挙げられます。
障害の解説
摂食・嚥下障害
最近食事が飲み込みにくくなった、むせる様になった。そのようなことはありませんか?
当院では、言語聴覚士がそれらの原因を詳しく評価した上で、咀嚼や飲み込み、むせた時に気管から食物をしっかりと追い出すための訓練を行うことに加え、患者様個々に合った正しい食事形態の提案まで致します。
当院では、言語聴覚士がそれらの原因を詳しく評価した上で、咀嚼や飲み込み、むせた時に気管から食物をしっかりと追い出すための訓練を行うことに加え、患者様個々に合った正しい食事形態の提案まで致します。
加えて嚥下造影検査まで行うことで食べ物が気管に入っていないか(誤嚥)、飲み込んだ後に喉に残っていないか(咽頭残留)など詳しい嚥下機能評価を行うことも可能です。
失語症
主な失語症の症状説明図失語症は『“語”を失う』と書きますが、頭の中にある“語”つまり「ことば」をうまく操ることができなくなった状態をいいます。脳梗塞や脳出血、脳腫瘍、あるいは頭部外傷などによって脳が損傷することで、相手が話していることが分からない、うまくことばが思い出せない、言い間違いをよくしてしまう、文字を読んでも意味がわからない、字がうまく思い出せないなどの症状がでることがあります。これらの“聴くこと”、“話すこと”、“読むこと”、“書くこと”の4つの「ことば」に関わる能力全てに、何らかの不具合が生じてしまった場合、これを『失語症』といいます。
ひとくちに失語症といっても、その症状は人それぞれです。その人が生活する環境によってもその影響は異なるため、個々に応じた対応が必要となります。
ひとくちに失語症といっても、その症状は人それぞれです。その人が生活する環境によってもその影響は異なるため、個々に応じた対応が必要となります。
構音障害
“構音”とは、いいかえると“発音”に近い意味の用語です。つまり、“構音障害”とは何らかの原因によって、“発音”がうまく行えなくなった、いわゆる“呂律がまわらない”状態をいいます。その原因はさまざまなものがありますが、当院で対象となる最も多い構音障害は、脳の損傷によって顔や口、舌など(発声発語器官といいます)にマヒが起こることが原因で生じる『運動障害性構音障害』です。私たち言語聴覚士は、そのマヒを軽減させる、あるいは“発音”を再獲得するための訓練や話しことばを助けるために、書字や文字盤、パソコンを使うなどの代償手段を指導するなどの対応によって、コミュニケーション能力を高める手助けをします。
高次脳機能障害
脳の働きを分類すると、
- 外界の情報をただ受け取るだけの部分
- 身体を動かしなさいとただ指令を出すだけの部分、
- 受け取った情報を処理したり、指令を作ったり、行動を制御したりする部分
とに分かれます。
このうち、3の「受け取った情報を処理したり、指令を作ったり、行動を制御したりする部分」の働きが“高い次元”ということになります。脳梗塞や脳出血、脳腫瘍に加え、交通事故による頭部外傷などで、この部分に損傷を受けて生じる障害を「高次脳機能障害」といいます。
具体的な症状としては、「少し前の出来事が思い出せない(記憶障害)」、「考えがうまくまとまらず、要領が悪くなる(遂行機能障害)」、「左側のものを見落とす(半側空間無視)」、「マヒはないのに手先が不器用(失行)」、「まとまらない支離滅裂な話し方になる(談話障害)」などさまざまなものがあります。
これらの問題は、日常生活や社会生活(仕事など)への適応に支障をきたすことが多く、私たち言語聴覚士が、作業療法士・理学療法士と連携して支援します。
このうち、3の「受け取った情報を処理したり、指令を作ったり、行動を制御したりする部分」の働きが“高い次元”ということになります。脳梗塞や脳出血、脳腫瘍に加え、交通事故による頭部外傷などで、この部分に損傷を受けて生じる障害を「高次脳機能障害」といいます。
具体的な症状としては、「少し前の出来事が思い出せない(記憶障害)」、「考えがうまくまとまらず、要領が悪くなる(遂行機能障害)」、「左側のものを見落とす(半側空間無視)」、「マヒはないのに手先が不器用(失行)」、「まとまらない支離滅裂な話し方になる(談話障害)」などさまざまなものがあります。
これらの問題は、日常生活や社会生活(仕事など)への適応に支障をきたすことが多く、私たち言語聴覚士が、作業療法士・理学療法士と連携して支援します。